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2026.09.18

第4期ANEC定時総会・講演会


18日、第4期ANEC定時総会を開催しました。
あきた次世代エネルギーコンソーシアム(ANEC)は、第4期定時総会を開催しました。
 
総会では、第3期の事業報告・収支決算、第4期の事業計画・収支予算について審議が行われ、いずれも原案どおり承認されました。
 
また、総会終了後には、トヨタ自動車株式会社 水素事業推進部担当部長の藤瀬浩史様を講師にお迎えし、「次世代エネルギーで新しい価値を~共創~地域産業・生活の持続的向上~」をテーマとした講演会を開催しました。
 

第4期定時総会


開会にあたり、浜岡会長から挨拶がありました。
ANECは設立から3年を迎え、これまで定期的な講演会や勉強会などを通じて、会員の知識・情報の共有を進めてきました。一方、昨年度からは、コンソーシアムとして新たな情報発信や政策提言につなげることを目的に「企画部会」を設置し、活動の幅を広げています。
 
浜岡会長からは、データセンターの立地など秋田県内で新たな動きが進む中、秋田の将来像について会員同士で議論を深め、次世代エネルギーを活用した地域づくりについて、政策提言につなげていきたいとの考えが示されました。
 
なお、総会には議決権を有する正会員43社・団体のうち34社・団体が出席し、会則に定める定足数を満たしていることが確認されました。議長には浜岡会長が選出され、議事が進められました。
 

第3期事業報告・収支決算を承認

第1号議案では、第3期事業報告について説明が行われました。

第3期は、2025年9月9日に定期総会を開催したほか、通常理事会を4回、書面による臨時理事会を3回開催。企画部会の設置や関係機関との交流、国のガイドラインへの意見提出などについて協議を行いました。
 
2026年6月末時点の会員数は、正会員41、賛助会員6、特別会員6の合計53社・団体となりました。第3期中にはニチモウ株式会社が新たに加入しました。
 
事業活動では、講演会や勉強会、視察研修などを実施しました。
 
2025年10月31日には、高圧ガス保安協会の戸邊理事様を講師に迎え、水素・アンモニア・CCSに関する政策や同協会の取り組みについて講演会を開催。また、2026年1月21日には、秋田市における水素サプライチェーン構想や、水素エネルギー産業都市を目指す秋田市の取り組みについて情報交換を行いました。
 
さらに、2026年3月には秋田商工会議所との共催により福岡県を訪問し、水素エネルギー国際研究センター(九州大学伊都キャンパス)、響灘ウインドファーム、ひびきLNG基地などを視察しました。
 
そのほか、「あきたNEXTモーターフェス2025㏌横手」への協賛や、国の水素・アンモニア受入環境整備に関するガイドラインへの意見提出など、次世代エネルギーに関する情報収集・発信にも取り組みました。
 
また、設立から3年を迎えたことを踏まえ、調査・研究や実証事業の検討を機動的に進める組織として、2026年6月26日に12名で構成する企画部会を設置。部会長には東部ガス株式会社の鎌田様が選任されました。
 
第2号議案の第3期収支決算では、収入決算額377万4,148円、支出決算額256万1,961円となり、差額121万2,178円を次年度へ繰り越すことが報告されました。
 
会計監査については、秋田商工会議所の浅野監事から監査結果が報告され、適切に処理されていることが確認されました。
 
審議の結果、第1号議案および第2号議案は、原案どおり承認されました。
 

第4期事業計画を決定


 
続く第3号議案では、第4期事業計画案について説明が行われました。
 
秋田県は、風力発電をはじめとする豊富な再生可能エネルギー資源を有する一方、それらを地域でどのように活用し、地域経済の活性化につなげていくかが重要な課題となっています。
 
こうした状況を踏まえ、ANECでは、秋田の資源を最大限に活用し、エネルギーサプライチェーンの構築や地域経済の活性化につなげるため、講演会・勉強会、視察、調査・研究、関係機関との連携などを進めていきます。
 
第4期は、理事会を4回程度、企画部会を5回程度開催するほか、講演会・勉強会を年間4回程度、先端視察を3回程度実施する計画です。
 
また、「あきたNEXTモーターショー」への協賛を通じて、県民への次世代エネルギー・次世代自動車の普及啓発にも取り組みます。
 
さらに、企画部会では、理事会と連携しながら、ANECとして取り組む具体的な実証事業について検討を進めます。
 
第4号議案では、第4期収支予算案について審議され、収入・支出ともに391万3,187円を計上。あきたNEXTモーターフェス2025㏌横手への参加や企画部会の活動など、新たな取り組みに必要な予算が盛り込まれました。
 
審議の結果、第3号議案および第4号議案についても、原案どおり承認されました。
 
今回の総会を通じ、ANECはこれまでの「学び・情報共有」を基盤としながら、企画部会を中心とした調査・研究や実証事業の検討、さらには地域への情報発信・政策提言へと活動を一段と広げていく方針を確認しました。
 

総会後に講演会を開催


総会終了後には、トヨタ自動車株式会社 水素事業推進部担当部長の藤瀬浩史様を講師にお迎えし、講演会を開催しました。
 
藤瀬様からは、トヨタ自動車が大切にしている価値観から、モビリティ社会とマルチパスウェイ、水素事業への取り組み、国の政策との連動、そして水素エネルギーによって生まれる新たな価値まで、幅広いテーマについてお話しいただきました。
 

水素を「新しい価値」につなげる

 
講演では、トヨタ自動車が水素を単なる脱炭素のためのエネルギーとして捉えるのではなく、新たな価値を生み出すためのエネルギーとして幅広く活用しようとしていることが紹介されました。
 
燃料電池車については、水素から電気をつくり、その電気でモーターを駆動する仕組みが説明され、乗用車だけでなく、大型トラック、バス、ごみ収集車、救急車、鉄道、船舶など、さまざまなモビリティへの展開についても紹介されました。
 
また、燃料電池システムを車両以外に展開し、発電機などとして活用する事例や、水素を製造する技術についても紹介され、水素の「つくる・運ぶ・使う」を一体的に考えることの重要性が示されました。
 

水素社会の実現に向けた「使う」取り組み

 
講演の中で特に印象的だったのが、水素を社会に広げるためには「まず使ってみる」という視点が重要だという考え方です。
 
災害時の電源として燃料電池車を活用する事例のほか、水素を利用した調理、コーヒーの焙煎、サウナ、イベントでの電源供給など、生活に身近な場面で水素を活用する取り組みが紹介されました。
 
こうした事例を通じて、水素を「産業用の特別なエネルギー」としてではなく、暮らしの中で実際に触れ、体験できるエネルギーとして身近にしていくことの重要性についてお話しいただきました。
 
また、子どもたちが自転車で発電し、その電気から水素をつくり、再び電気として利用する体験型の取り組みも紹介され、次世代を担う子どもたちへのエネルギー教育についても触れられました。
 

秋田における水素活用の可能性

 
講演では、国の水素政策や「水素大動脈構想」についても紹介されるとともに、地域ごとにエネルギーをつくり、地域で使う「地産地消」の重要性についても意見が交わされました。
 
特に秋田県については、豊富な再生可能エネルギーを生かし、水素の製造・利用につなげていく可能性について触れられました。
 
大規模な水素供給網だけでなく、地域の規模に応じた比較的小型の水素製造・利用設備を組み合わせることで、地方におけるエネルギーの地産地消につなげていくという考え方も示され、秋田における次世代エネルギーの活用を考えるうえで、多くの示唆をいただく機会となりました。
 

質疑応答

 
講演後には、参加者との質疑応答が行われました。
 

秋田県産業技術センター 遠田 幸生 様


質問:
水素大動脈構想を進める中で、水素をどこで、どのようにつくるのか。また、大動脈の整備が進んだ後、秋田のような地方にはどのような効果や展開が考えられるのか。
 
藤瀬様:
水素の製造については、当初は再生可能エネルギーからつくるグリーン水素を中心に考えられていましたが、水素の利用を広げ、価格を下げていくためには、さまざまな水素を活用しながら市場を拡大していくことも重要です。
 
また、大規模な水素需要を持つ地域だけでなく、秋田県をはじめとする地方でも水素をつくり、使うことが必要です。そのためには、大規模設備だけでなく、地域で活用できるコンパクトな水素製造・発電設備などを組み合わせ、地産地消型の仕組みを構築していくことが重要になるとの考えが示されました。

三国商事株式会社 代表取締役社長 三國 晋一郎 様


質問:
秋田県内にはLPGを利用している中小企業も多く、水素がLPGの代替エネルギーとして利用できる可能性があるのではないか。価格や供給体制が整えば、中小企業でも水素を使いやすくなるのではないか。
 
藤瀬様:
水素については、製造コストに加えて、輸送コストや供給インフラの整備などが課題となっています。
今後、水素を安価かつ効率的に運ぶ技術や、水素をよりコンパクトに貯蔵・輸送する技術などが進展すれば、中小規模の事業者にとっても水素を利用しやすい環境が整っていく可能性があります。
 
質疑応答では、秋田県内の地域・企業における具体的な水素利用を想定した意見交換が行われ、水素を地域産業や暮らしの中へどのように取り入れていくかについて、参加者が考える貴重な機会となりました。
 
ANECでは今後も、会員同士の知識・情報の共有に加え、関係機関との連携、調査・研究、実証事業の検討などを通じて、秋田県が持つ再生可能エネルギーを地域の価値へとつなげる取り組みを進めてまいります。
 
秋田の次世代エネルギーをめぐる環境が大きく変化する中、地域に根ざしたエネルギーの活用と、新たな産業・暮らしの可能性を見据えながら、会員の皆様とともに取り組みを進めてまいります。

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