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2025.04.28

あきた次世代エネルギーコンソーシアム 第4回 講演会

 

第4回ANEC講演会を開催しました

2025年4月16日(水)16時より、秋田拠点センターアルヴェ2階 多目的ホールAにて、「第4回ANEC講演会」を開催しました。会員企業の代表の方、65名が参加しました。今回の講演には2人のゲストをお招きし、それぞれのテーマに沿ってお話ししていただき、質疑応答は最後にお2人にお聞きする時間を設けました。

 

挨拶

ANEC 会長 

秋田大学理工学部 システムデザイン工学科

教授 浜岡 秀勝

 

「はじめに、最近のニュースでは大阪万博が開催となりました。私たちのコンソーシアムと関係するものとして、現地での電気の供給元として水素の発電やアンモニアの製造など、新しい取り組みが運用されています。同じような取り組みを秋田で実施するにはどのように動いたら良いのかを考えるには、非常に良い事例ではないでしょうか。私も会期中に訪れて、新しい動きを実際に見て、しっかり考えをまとめることが重要だと思っています。

 

先日、長野県塩尻市に行ってきました。この街の取り組みのなにがすごいかというと、AI活用型オンデマンドバスなど最新の交通について動きのあるところですが、市の職員のアクティブさが全然違いました。今ではコンサルタントにお願いすることもなく、テレワーク等を利用したりして市外にお金を出さず、市の人口も減らない素晴らしい取り組みになっていました。

 

それらをふまえて私たちのコンソーシアムも、よりアクティブに動いて、大阪のようにエネルギーを作りながら使っていく取り組みに向けて一歩一歩踏み出していきたいと思っています。

講演会だけではなく、多くの議論を通じて、これからの秋田をどうしていけば良いのか考えたいと思っておりますので、これからも皆さまのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。」

 

講演会① 『ふくい水素エネルギー協議会の取り組みと今後の展開について』

テーマ

ふくい水素エネルギー協議会の取り組みと今後の展開について

 

ゲスト

ふくい水素エネルギー協議会

事務局 海道 雅俊 氏
(株式会社ナカテック 営業部長)

 

「みなさんこんにちは。先ほど会長からもお話ありましたが 今週の日曜日から大阪万博が開催されました。私も日曜日から昨日まで現地に行っていました。仕事の傍らパビリオンも見学しました。

秋田県には玉川温泉に来たことがあります。まさかこのような講演のお仕事で秋田に来ることになるとは思ってもみませんでしたが、福井県の水素エネルギー協議会の地道な取り組みをお話させていただきます。皆さまご存じの内容も盛り込まれているとは思いますが、参考にしていただければと思います。

 

私の所属いたします会社のナカテックグループを紹介します。弊社はグループで300名・12社の会社を経営しています。エネルギー・ガス、化学・製薬、純水、健康・福祉など8つの産業があります。水素エネルギーの実績としては、福井国体の水素救急設備の現地工事や東京オリンピック・パラリンピックの聖火水素燃焼など、原子力産業から広がっております。

 

次に令和3年に設立したふくい水素エネルギー協議会についてです。弊社の代表取締役が代表理事となっています。水素エネルギー社会に関する現状や将来動向の調査・研究から水素エネルギーサプライチェーン構築までさまざまな活動を行っています。協議会の設立と同時期に福井県・原子力発電所の立地地域の将来像に関する共創会議がスタートしました。さらにエネ高事業(エネルギー構造高度化・転換理解促進事業)、おおい町・福井県・ふくい水素エネルギー協議会の連携協定が締結されました。

 

おおい町と万博は1970年の大阪万博の際に敦賀市で発電した電力を万博会場に送電し、その後50年間関西の電力を支えています。そして今回の大阪・関西万博では水素STおおい・うみんぴあで作られた原子力由来の水素が燃料電池船で運ばれています。

この水素STおおい・うみんぴあで作られた水素の利活用では、燃料電池自動車のカーシェアで住民の利便性向上を図ります。これからも水素エネルギーの力を使った環境に優しいカーボンフリーな循環を福井県から発信していきます。ご清聴ありがとうございました。」

 

講演会②『秋田の再エネ利用カスケードを、俯瞰する』

テーマ

秋田の再エネ利用カスケードを、俯瞰する

 

ゲスト

ANEC副会長 佐藤 裕之 

株式会社ウェンティ・ジャパン 

代表取締役社長 

 

「みなさんこんにちは。カスケードというのは小さな滝とか数珠繋ぎという意味で、物理学や半導体の仕事をされている方はカスケード接続などでお分かりだと思います。そういう意味で秋田の再エネはどのように滝が別れるように利用されてきたのかを振り返ろうと思います。今、福井県の取り組みを聞いて非常に感動しているところです。

 

ご覧いただいている映像は当社の持っている秋田潟上ウインドファームの映像です。数年前に「光を追いかけて」という映画のエンドロールで使われた映像です。この潟上ウインドファーム、66,000キロありますけれども、ここを利用して水素製造をしたらどの程度の規模になるかということを試算しております。東北電力管内ではここ2年ほど出力規制の指令がすごく増えました。現在は抑制して運転している状態ですので、事業者としてはこの能力も活用できるのであれば、これに越したことはない。

 

今の秋田県の再生可エネルギーは北海道・青森・秋田で1位から3位を行ったり来たりしています。本州では青森と秋田が先進地となっています。シベリアに向かって両手を広げたような長い海岸線のある秋田県は、やはり風力発電の適地だということです。先ほど福井県のお話にもありましたけれど、秋田にとっての風車は地域資源であり、ハタハタや比内地鶏と同じ秋田の名産品と同じです。これを活用して果実をかじらなければいけないのは地元です。このANECの集まりもそうでして、再エネ由来のグリーンな水素を日本国内で作ろうと思っても作れません。このグリーン水素は秋田にとってハタハタと一緒でしょ、それを地元で使おうよというのがANECの最大の目標であり理念だと私は理解してます。

 

ウェンティ・ジャパンでは秋田県以外にも風車を持っております。現在11サイトで42基。11万5千キロの規模です。一番大きいのは秋田潟上ウインドファームです。他にも2023年に富山県入善沖で運転を開始した洋上風力発電所があります。日本初の民間資金による一般海域洋上風力発電事業です。ここは漁業組合の皆さんが積極的に応援してくれた珍しい事例です。こちらには管理事務所を作りました。2階にはエンジニアが常駐しています。1階にはベッドルームもありますので、お泊りいただけます。美しい場所ですので是非見に行って欲しいです。最後に、洋上風力発電の建設はどのように行われているか、入善の記録映画がありますのでご覧ください。

次のエネルギーメディアはどうするのか?日本全国で風車由来の水素製造するんだろうと思います。その先進地に、ここ秋田がなるポテンシャルがあるんだと期待を持っています。ありがとうございました。」

 

質疑・応答

質疑応答では、最初に、ふくい水素エネルギー協議会事務局の海道雅俊氏のお話に対し、ANEC副会長の佐藤裕之が質問しました。

 

ANEC副会長 佐藤裕之

「福井県の水素ステーションのコスト、水素の価格についてお聞きしたいです。」

 

海道雅俊氏

「建設コストは約4億円。水素の単価はお答えできないくらい高くなってしまっております。ご想像の通りです。販売はされていなく、仕組みづくりです。」

 

ANECアドバイザー 遠田幸生

「シンプルフューエルが海外製ということを聞き、アメリカと日本の法律が違っていて、法律の壁が結構大きいなと思っているのですが、導入にあたって問題はいかがでしたか?」

 

海道雅俊氏

「ご承知の通り日本の高圧ガス保安法がございます。アメリカからの輸入品となりますので経産省管轄の高圧がガス保安協会の認定をとることになります。日本の法人もありましたので、法規対応をいたしました。」

 

ANECアドバイザー 遠田幸生

「佐藤社長にもお聞きします。実際にやれる技術はあるのかがクエスチョンになっていますが、いかがですか?」

 

ANEC副会長 佐藤裕之

「技術検証的には問題ないだろうというお話です。ただ契約があるのでリスクを負うことになれば協議が必要だと思います。ただ、これは乗り越えないといけない。」

 

ANECアドバイザー 遠田幸生

「どうやったら乗り越えられますか?」

 

ANEC副会長 佐藤裕之

「十分な協議をする必要がありますね。」

 

質疑応答の時間が過ぎたところで、第4回講演会を閉会しました。ご参加ありがとうございました。

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